
「大切な人ともっと深い人間関係を築きたい」「相手とより親密になるために、自己開示の方法を知りたい」と考えている方に、ぜひご覧いただきたい記事です。自己開示を行う際は、会話のなかで相手の内面にふれる内容を引き出すことが重要です。
必ず深い話題を持ち出す必要はなく、無理のない範囲から、徐々にお互いの理解を深めていきます。ここでは自己開示の効果や、具体的な自己開示方法について解説しました。最後まで読んでいただければ、今すぐにでも自己開示ができるようになります!
自己開示とは?
自己開示とは、感情や価値観などの内面的な情報を他者に自発的に伝える行為です。信頼関係を築くうえで、重要なコミュニケーション方法とされています。自分の良い部分だけでなく、マイナス要素も正直に伝える点が特徴です。
自己開示の3つの効果

自己開示の3つの効果を、以下にまとめました。
- 相手との深いつながりを育める
- 早く親しくなれる
- 心理的安全性が高まる
1. 相手との深いつながりを育める
自己開示を行うと、相手との関係性を深めることができます。お互いに自身の人間性における本質的な部分を共有し、理解しあうためです。
価値観や悩みを伝え合うことで、相手に対する好感や信頼が自然と生まれやすくなります。自己開示を重ねることで、表面的な関係を超え、相手との深いつながりを育むことができます。
2. 早く親しくなれる
自己開示によって、相手とより早く親密な関係になれます。初対面でも、自身の思いやその背景を伝え合うことで、共感や理解が深まるためです。相手との関係性を前進させたい場合は、積極的に自己開示を行いましょう。
3. 心理的安全性が高まる
自己開示は、その場の心理的安全性を向上させます。心理的安全性とは、安心して意見や感情を表明できる状態の度合いです。自己開示が順調に進みオープンになると「受け入れてもらえる」という安心感や信頼感が高まります。
たとえば、グループ内でリーダーが失敗談を共有すると「この集団では失敗を恐れずに発言できる」と感じやすくなるでしょう。自己開示が非言語的な信頼のサインとなり、心理的安全性を高めます。
今すぐできる自己開示3ステップ

以下の3つの流れをおさえることで、効果的に自己開示を行うことができます。
- 「個人的な感覚」を引き出す話題を振る
- 開示する情報量のバランスをとる
- 段階的に話題を深める
1. 「個人的な感覚」を引き出す話題を振る
相手の「個人的な感覚」を引き出す会話を意識しましょう。好きなことややりたいことなど、その人だから感じること、思うことについて質問します。
会話の内容が単純なものでも、相手の内面にふれることで親近感や共感、関心が芽生えて心の距離が縮まります。悩みや失敗談など、ネガティブな内容を適度に交えることも有効です。まずは自分から私的な感覚や感情を共有し、相手の自己開示を促しましょう。
たとえば「今日は天気がいいですね」につづけて「わたしは晴れやかな気持ちになれるので、青空が好きなんです。〇〇さんはどうですか?夕焼けの方が感動しますか?」といった具合に、相手の個人的な感覚を聞き出します。
2. 開示する情報量のバランスをとる
自分と相手の間で開示する情報量のバランスをとりましょう。自分の話ばかりでは、自己開示の効果を十分に発揮できません。
相手の話に耳を傾け、対話を重ねることで、相互理解が深まり打ち解けられます。自分と相手の自己開示の割合は、3:7程度が適切であるといもいわれています。一方的な発話は避け、情報を共有し合いましょう。
3. 段階的に話題を深める
相手の反応に注意を払いながら、伝える内容を深めましょう。情報を小出しにしながら、相手が受け容れられる範囲を見極めることが重要です。
自分に関するすべての情報を100%として、感覚的に15%ずつ自己開示していく方法があります。相手の反応を受けて、さらに15%開示するかどうかを決めましょう。自分自身の核心に関わる話題に段階的に移行していきます。
自己開示の3つの注意点

自己開示を行う際は、以下の3点に注意する必要があります。
- 開示の度合いに気をつける
- 内容と相手を慎重に選ぶ
- 自己呈示をしない
1. 開示の度合いに気をつける
自己開示の度合いに気をつけましょう。無理をした自己開示は、相手に不自然さを感じさせ、非常識だと思われたりマイナスなイメージを与えたりする可能性があります。
最適な自己開示度は約50〜60%ともいわれており、それ以上の自己開示を行うと魅力がないと感じられる恐れがあります。まだ心を開いていないうちに踏み込んだ質問をしてしまうと、嫌悪感を抱かれるかもしれません。
相手との関係性を考慮しながら、どれくらい自己開示するかを慎重に判断しましょう。日常生活のなかで、少しずつ自己開示を積み重ねることが大切です。
【自己開示の返報性】相手から受けとったものに対して「お返しをしなければならない」という心理が働くことを「返報性の原理」といいます。自己開示にも返報性が働くため、過剰な自己開示は相手の負担になる場合があります。
2. 内容と相手を慎重に選ぶ
無理に話したくない内容を共有したり、気が進まない相手に自己開示をする必要はありません。心理的な負担がかかると同時に、相手によっては自分のプライベートな情報を流出させたり、悪用したりする危険性もあります。
まださほど信頼できていない相手に自己開示をされた場合は、自分の情報を開示してもいい相手か慎重に見極めましょう。自分自身にとって本当に大切な人、信頼できる相手を選び、話したいと思う内容のみを開示してくだい。
3. 自己呈示をしない
自分を良く見せることを目的とした「自己呈示」にならないよう注意しましょう。自己提示とは、自分に関するポジティブな情報を選択的に伝え、相手からの印象をコントロールしようとする行為です。
欠点を含めたありのままの自分を正直に伝えることで、お互いに対する信頼や絆が生まれ、関係を深めることができます。自分をとりつくろう自己呈示は、関係性の構築につながりません。
まとめ
自己開示を行いお互いの本質的な姿を理解しあうことで、相手との深いつながりを育むことができます。相手の内面にふれる話題を会話のなかに取り入れ、だんだんと内容を深めていきましょう。
話す内容や開示する相手などに十分注意し、適切な自己開示を行うと、相互理解につながります。焦らず、時間をかけて自己開示をつづけることで、大切な人との関係性をより良いものにできるでしょう。無理のない範囲から、ぜひ自己開示をはじめてみてください!


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